球天下体育

图片

「ミライREBORNスマイ プロジェクト」最優秀賞受賞 住居学科4年 矢野瞳さん

2024.03.25

矢野さんが思い描く2050年の人々の暮らしとは?

最優秀賞を受賞した矢野瞳(やのひとみ)さん

「2050年の住宅や生活、コミュニティのあり方を提案してください」そんなテーマで行われたコンペティション「ミライREBORNスマイ プロジェクト」(主催:公益社団法人全日本不動産協会、共催:公益社団法人大阪府建築士会)で、本学家政学部住居学科建築デザイン専攻4年の矢野瞳(やのひとみ)さんの作品「外暮らシティ」が「学生?一般の部」で最優秀賞を受賞しました。矢野さんの作品は、2025年大阪?関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」で他の入賞作品とともに展示される予定です。今回の受賞作品やコンペの様子など、卒業間際の矢野さんにお話を伺いました。

大学院試験と同時並行で
応募作品を準備

——「ミライREBORNスマイ プロジェクト」に応募されたきっかけを教えてください。

矢野:大学院試験に向けて昨年の春から夏にかけて勉強をしていました。街づくりや都市計画の球天下体育室に進学を希望していたので、これからの街づくりや都市計画について考えており、今回コンペも「未来の暮らしを考える」というテーマだったので、大学院試験勉強のモチベ—ションを上げるためにも同時進行で取り組んでみようと思ったのがきっかけです。今回の作品は構想に半年ぐらいかけ、制作には1~2か月ほどかかりました。

——大学院試験と並行しての準備は大変ではありませんでしたか?

矢野:そうですね、大学院試験の数日前がコンペの締め切りでした(笑)。準備はギリギリだったのですが。内容は大学院試験の小論文のために考えていた内容にも近く、使っている頭は一緒だったので、なんとか取り組めました。

——今回の応募された作品「外暮らシティ」を作るうえでこだわった点はどこですか?

矢野:場所や自然と結びついて屋外空間または半屋外空間で1日の多くを過ごすことを「外暮らし」と定義し、2050年の人たちの衣食住や家族像、仕事は何をしているかなど細部まで設定しています。「『場所』や『自然』に結びついて生きる」ことでの、新しい家族の在り方やライフプランを示したいと思っていました。


——「ミライREBORNスマイ プロジェクト」の選考過程についても教えてください。


矢野:1次と2次審査がありました。1次審査が資料提出で、2次審査の前に作品をブラッシュアップできるタイミングがあり、2次審査では審査員の前でプレゼンテーションを行いました。審査員には有名な建築家や映画監督もいらっしゃったので、とても緊張しましたが、友人にも協力してもらい発表の練習を積んでいたので、本番も練習通りにしっかりと発表できたかなと思っています。
2次審査でプレゼンテーションを行う(写真提供:ミライREBORNスマイ プロジェクト事務局)
2次審査でプレゼンテーションを行う(写真提供:ミライREBORNスマイ プロジェクト事務局)
——2次審査では、審査員から質問を受けたりされましたか?

矢野:建築家の秋吉浩気さんからいただいた「この提案が創造する未来の実現に貢献するデザインは何ですか?」という質問が印象に残っています。デザインがどう未来を変えるかについて正直そこまで考えられていなかったので、頓珍漢な回答をしてしまったと思うのですが、その「問い」については今でも考えています。「建築の空間デザインを変えることによって人の行動が変わり、人の行動が変わったことで社会がどう変わるか」といった説明ができたらよかったのだろうなと思っています。
また、審査員長の樋口真嗣監督には、「この提案の中で排除した存在は何ですか?」と聞かれました。作品のために都合よく考えてしまった部分があることに気づかされて、まだまだ視野が狭かったなと反省しました。

——審査員方からいろいろと鋭い指摘もあったようですが、最優秀賞を受賞されました。受賞を聞いた時はいかがでしたか?

矢野:驚きました! あ、1位だ、みたいな(笑)。今回は最終的に映像作品にするという目的があってのコンペだったので、広がりがあり、映像に生かしやすく可変性のある提案だったことを評価していただいたのかなと思います。
審査委員長の樋口真嗣監督から賞状を受け取る(写真提供:ミライREBORNスマイ プロジェクト事務局)
審査委員長の樋口真嗣監督から賞状を受け取る(写真提供:ミライREBORNスマイ プロジェクト事務局)
——コンペの入賞作品は、大阪?関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」で展示?公開予定とのことですが、準備は順調ですか?

矢野:このあいだも大阪でオリエンがあり、行ってきました。現在は、映像会社の方と一緒にシナリオやコンテを作っているところです。他の受賞者の方々とも仲良くなり、楽しく準備を進めています。

——矢野さんの今後の進路についても教えてください。

矢野:4月から東京工業大学の大学院に進学します。都市環境学コースで都市計画や街づくりを球天下体育し、エコロジカルデモクラシーという活動されている先生のところで学びます。将来的には、街づくりや都市計画に携わっていければと考えています。私はずっと人々の生活やその生活の集合としての街に興味があったので、人々の生活や街自体を支え、より良くする仕事ができたら良いなと思っています。

——日本女子大学での4年間はどうでしたか?

矢野:とても学び多い4年間でした。薬袋奈美子先生の球天下体育室での活動や、設計の授業はとくに印象に残っていて、大きな影響を受けたと思っています。卒業論文は、「人間と鳥類が共存する河川整備や都市計画を人間と鳥類それぞれのパターンランゲージを共有することで実現する」という内容でまとめました。

——これからの矢野さんのさらなるご活躍を楽しみにしています。最後に後輩の学生たちにメッセージがあればお願いします。

矢野:学外のコンペにも積極的に取り組んでみることをおすすめします。作品を提出すれば、フィードバックをもらえますし、もちろん入選すれば賞金などもいただけます。課題に対して向き合うだけでも大きな学びになるので、長期休暇などを利用して、どんどんチャレンジしていってほしいです。

——ありがとうございました!
受賞スピーチを行う矢野さん(写真提供:ミライREBORNスマイ プロジェクト事務局)
受賞スピーチを行う矢野さん(写真提供:ミライREBORNスマイ プロジェクト事務局)