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文学部学術交流企画シンポジウム「アイヌ文化とその継承」を開催

2023.11.15

木村氏による口承文芸の実演

10月21日(土)、目白キャンパスの成瀬記念講堂で文学部学術交流企画シンポジウム「アイヌ文化とその継承」が開催されました。本シンポジウムは、2021年に日本女子大学と北海道日高管内7町、日高町村会及び北海道日高振興局とが締結した「相互協力に関する協定」の一環として、文学部史学科が主催、社会連携教育センターが共催となり、そして平取町立二風谷アイヌ文化博物館の協力を得て実現しました。

まず行われたのは、平取町立二風谷アイヌ文化博物館の学芸員である廣岡絵美氏による講演「地域における博物館の役割 —二風谷アイヌ文化博物館を例に—」。廣岡氏には、博物館の各展示を紹介する動画や具体的なエピソードを交えながら、地域との連携やアイヌ文化の保存と継承に向けた取り組みについてご説明いただきました。

真剣にメモを取る姿も多くみられた廣岡氏の講演会
真剣にメモを取る姿も多くみられた廣岡氏の講演会

廣岡氏による講演に続いては、株式会社平取町アイヌ文化振興公社の木村梨乃氏による「口承文芸の実演と解説」が行われました。口承文芸とは、文字に頼ることなく、口頭で伝承されてきた文学の形態で、アイヌの歴史、文化、価値観を伝える重要な手段です。
アイヌの口承文芸の種類や語り方の特徴、技法について説明いただき、アイヌの神話である「イワンレクトゥ?ぺ~六つ首の化け物~」などを実演していただきました。講堂に響き渡ったその独特の節回しに会場の参加者たちは聞き入っている様子でした。

木村氏による口承文芸の実演
木村氏による口承文芸の実演では、参加者は事前に配られた日本語訳の歌詞資料も見ながら聞き入っていました

シンポジウムの最後には、廣岡氏と木村氏に加えて、本学史学科の教員や今年9月に実習で平取町を訪れた学生も登壇し、ディスカッションが行われ、アイヌ文化の次世代への継承に関してや地域との取り組みにおける工夫など、お二人にさまざまな質問に回答いただきました。

ディスカッションの様子
ディスカッションでは、先月平取町を訪れた学生からも現地で得た疑問を質問させていただきました

本シンポジウムには、本学の学生をはじめ一般の方など約150名が参加し、全プログラムを通してアイヌ文化への理解を深めることができた一日となりました。

今後も日本女子大学では、社会連携教育センターが中心となり、北海道日高管内7町、日高町村会及び北海道日高振興局と連携し、学びを深めていく取り組みを進めてまいります。

平取町からお越しいただいた廣岡氏と木村氏を囲んで記念撮影